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隠す理由は
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「…すっ…すき……」
あぁでも、すげー可愛いし鼻血出そう。
俺も好きだよ。
「ふふ、サンキュ」
「もー!兄ちゃんのいじわる…」
「ごめんって」
「…ばーか」
「俺も楓のこと好きだよ?」
「っ……!」
楓の顔が赤くなる。
いじめすぎたかもしれない、とちょっと反省しながら、あやすように頬を撫でる。
「…兄ちゃんのばか」
「ふふ、ごめんな」
「……今日はゲームしてくれる?」
「おぅ」
「ほんとに…!?」
ぱぁっと顔を輝かせる楓。
可愛い。
「…昨日はごめん。約束守れなくて」
わくわくしながら俺の帰りを待ってる楓を想像すると胸が痛む。
その分、今日はいっぱい構ってあげるから。
「…兄ちゃんさ、怪我とかしてない?」
「怪我?してないよ」
「危ないこととかは?」
「してない」
「…じゃあ許してあげる」
「え?」
どういうこと?
なんか許してもらえたみたいで、ちょっと安心したけど…
「…オレに言えないことって、なんか危ないことしたからとか、そういう理由かなって思って」
「危ないことって、例えば?」
「行き過ぎたイタズラとか。それで大怪我するとか」
「あー…」
違うんだ、俺が隠してるのはそういうことじゃなくて。
まだ純粋なお前には、想像もつかないような…きっと、もっといけないこと。
「…そういうことはしないから大丈夫だよ。ごめんな、心配かけて」
後ろめたくなって、そっと楓を抱きしめた。
やっぱり言えないよ。
「…今日、もし怪我とかして帰ってきたら絶交してた」
「絶交…!?」
それはだめだ。
想像しただけで、兄ちゃん寂しくてしにそう。
「そんなことしてみろ、泣いてやるからな」
「すごいかっこ悪い脅しだね」
「だって!」
俺は楓が好きだって、さっき言ったばっかりなのに。
絶交なんてひどすぎるだろ。
「…とにかく、危ないことしてるなら許さないから」
「わかったよ。しないから大丈夫だって」
くすくす笑いながら、楓の頭を撫でる。
こんなに心配してくれてるなんて、申し訳なくて辛くて。
胸が痛むのを堪えるように、ぎゅっと楓を抱きしめた。
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