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翌朝
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「…ん……」
目が覚める。
時計を見ると、昼の12時を少し過ぎたところだった。
天気がいいのか、窓の外が明るい。
(すげー寝ちゃったなぁ…)
でも昨日は疲れてたからしょうがない、と自分に言い聞かせながら、ふぁ、とあくびをする。
まだちょっと眠いけど、無理やり体を起こした。
メシ食って着替えたら、今日は久々に一人で買い物行く。
(なに買おう…アウターとか欲しいな…)
ぼーっと思考を巡らせながらリビングに行くと、弟が昼ご飯を食べていた。
チャーハンのいい匂いがする。
「おはよー兄ちゃん」
「はよ」
「昨日バイトだったの?」
「うん」
「お疲れさま」
「おー。顔洗ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
弟の名前は楓(かえで)。
二つ年下の、中学二年生だ。
「何かあったら、親より先に俺に相談しろ」って言い続けてきたし、楓もちゃんと俺を頼ってくれた。
難しい年頃だから、そういうのは一応ちゃんとね?
でも、おかげで大した反抗期もなく、かなりいい子に育っている。
(最近、遊んでやれてないな…寂しがってるかな)
そんなことを考えながら、顔を洗ってリビングに戻ると、おかえり、と声をかけられた。
今日もニコニコ笑ってる楓は、将来いいお嫁さんになれそうだ。
男だけど…。
「ただいま」
「おかえり!あのね、今日のチャーハンはオレが作ったんだよ!」
「マジで?えらいじゃん」
「……うん……」
頭を撫でて褒めてあげると、恥ずかしそうにうつむいてしまう。
学校ではちょっと引っ込み思案らしいって話を思い出して、こんな感じなのかな、となんとなく想像した。
「あの、それで、兄ちゃんの分も作ったんだけど…」
「お前いいヤツかよ」
「食べる?」
「うん、もらう」
「じゃあオレが持ってきてあげるよ!」
ぱっと顔を輝かせて、ぱたぱたとキッチンに向かう楓。
くそ可愛いな、と思いながら、彼女とかいるのかなぁ、とぼんやり考える。
(実の兄が男好きって知ったら、引くだろうな…)
もし楓に知られたらどうしよう。
男好きになったのなんて初めてだし、ていうか男だから好きなんじゃなくて真山だから好きなだけで…とか無駄に言い訳を考えていたら、目の前にチャーハンが運ばれた。
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