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約束
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「…話はそれで全部?」
「うん、全部」
「そう」
俺は、雅とのやり取りや、さっき一人で考えたことを、全部真山に話した。
思い出すのはちょっと辛かったけど、真山がずっと抱きしめててくれたり、手を繋いだりしてくれたから、真山にもちゃんと伝えられた…と思う。
「…話してくれてありがとう」
俺をぎゅっと抱きしめる真山。
うん、と言って、俺も抱きしめ返す。
真山が何か言ってくれるまで、このまま待ってよう。
「……藤川」
「ん?」
しばらくして、真山が口を開いた。
メガネ越しに視線が合う。
「ごめん。雅の真意は、俺にもわからない」
「あー、やっぱり?そうだよな…」
幼馴染みの真山にもわかんないんじゃ、どうしようもない。
他に、何か手がかりとか……
「わからないなら、本人に直接聞くのが早いと思うんだ」
「え?」
「近いうちに雅に会って、話を聞いたほうが…じゃなきゃ解決しないよ」
(…そっか…)
大胆な発想にびっくりしたけど、言われてみればそうかもしれない。
素直に教えてはくれないかもしれないけど…。
「…そうだな。真山、連絡とってくれる?」
「うん。でも、少し時間をおいたほうがいいよね?」
「あー…」
「すぐに会うのは嫌でしょ?」
「…それって、その…真山も、その場に一緒にいてくれるの?」
「もちろん。ちゃんと藤川の味方だよ」
「じゃ、じゃあ…すぐでも大丈夫」
そう言うと、真山は驚いて俺を見た。
抱きしめて、心配そうに俺の頬を撫でる。
「本当に大丈夫?無理しちゃだめだよ?」
「大丈夫。このまま学校行けってほうがキツいし…明日とかでもいいよ」
「…わかった。じゃあ、雅に連絡するね」
「うん。ありがとう…」
真山はすぐに携帯を取り出して、雅に連絡をとってくれた。
当たり前みたいに俺の頭を撫でながら。
視線をスマホの画面に向けてる間も、俺のことを気にかけてくれてるみたいで、ちょっと嬉しい。
(…なんか…すげー前から付き合ってるような気がする…)
付き合って二年目ぐらいの安定感みたいなのを感じる。
いや、自分でも何かよくわかんないけど…
「明日、空いてるから会えるって」
「あ、ほんと?」
「どこで会う?」
「んー…あんまり人目がないとこのほうがいいんじゃないかな…」
人目につく場所で、しかも男が三人で、付き合うだの何だのの話をするのはさすがに…それに、雅はでかいからすげー目立つし。
「じゃあ…外は寒いから、うちでいい?」
「え、うん…いいの?」
「行く手間が省けるから楽かなって」
「お、おぅ…」
合理的だな、と思ったけど、その辺は任せるとして。
直接会うのは、ちょっと緊張するけど…真山がいてくれるなら、大丈夫な気がする。
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