アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
独占欲
-
「明日の昼間に来るって」
「おー。ありがとう」
そんなわけで、明日は雅に会うことになった。
今日できるのはここまでだから、とりあえずこれで一段落かな…。
「本当に大丈夫?」
ふわふわと頭を撫でてくれる真山。
気持ちよくて、目を閉じそうになる。
「…真山、一緒にいてくれるんでしょ?」
「うん」
「じゃあ大丈夫、だよ…」
言ってからすげー恥ずかしくなって、顔を見られないように、真山にぎゅっと抱きついた。
小さく笑って、優しく抱きしめ返してくれる。
「なんでそんなに可愛いの」
「っ…うるせぇよ…」
言うんじゃなかった、と後悔していると、真山が首筋に顔をうずめてきた。
小さく俺の名前を呼ぶ。
「…藤川」
「ん?」
何となく、沈んだ声だった。
心配になって、そっと真山の体を抱きしめる。
「…守れなくてごめん」
え……
「…ま、真山…?」
どくん、と心臓が鳴る。
両腕が、俺の体をきつく抱きしめた。
「…怖かったね。一緒にいてあげられなくてごめん」
辛そうに呟く真山。
きゅぅっと胸が苦しくなる。
真山のせいじゃないのに。
雅に触れられたときのことを思い出してしまって、涙が浮かんでくる。
「…なんで真山が謝るの」
思わず声が震えた。
泣きたいのを我慢して、ぎゅっとしがみつく。
「だって、雅が…藤川は俺のものなのに」
「え……」
「藤川を泣かせていいのは俺だけなのに」
「!?」
何それ。
せっかく、ちょっとかっこよかったのに…途中からなんかおかしい、と思っていると、真山がまっすぐ俺を見た。
視線が交わる。
「…これからは…ちゃんと俺が守るから」
真剣な目に、心臓を掴まれたみたいだった。
苦しくて、でも嬉しくて、堪えていた涙が零れる。
「…真山…っ…」
一度溢れたら、止まらなくなってしまって。
いっぱいいっぱいで、どうしていいか分からなくなって、ぎゅっと真山にしがみついた。
「…大丈夫だよ。ずっと一緒にいる」
微笑んで、優しく抱きしめてくれる真山。
頭に直接響くような言葉で、魔法みたいに呼吸が楽になる。
「…ん…真山…」
涙を拭って、深く呼吸する。
真山の息が耳にかかって、体が熱くて、ぼーっとする。
さっきまで雅のこと思い出しちゃってたのに、いつの間にか頭の中は、真山でいっぱいだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
156 / 247