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5日目
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貴重なオフの日。はりきって買いすぎた肉とピーマンを前にして、腕をまくる。
「何作ってんのー?」
俺が飯作ってたら必ずたかってくる兄貴は、今日も俺が肉切ってるとどこからともなく現れた。
「んー、チンジャオロース、だよー。」
「んまそー。...でもなんで?さっき飯食ったじゃん。」
「んー、あげるのー。」
「は?チンジャオロースを?」
小馬鹿にしたような目で俺を見下ろす兄貴。に目を光らせる。隙あらば食べようとしてるいやらしい目、アメリカンさんとは大違いですね。あの人は、ちゃんと飯食ってんのか不安になるくらいほっそい。やっぱり作って正解だ。
昨日アメリカンさんがチンジャオロースなんて言うから、なんかいてもたってもいられなくて、夜スーパーに走った。ケーキ以外の物も食べてもらいたくて。てかチンジャオロース食べてもらいたくて。料理はなんか好きなんだよね、醤油の量一つで別の料理になっちゃう繊細なとことかおもしろい。
タッパーに詰めて渡した方がいい?やっぱお皿に出したほうがいい?でも店で出すのはまずいよね、他のお客さんもいるし。
てかケーキじゃないけど喜んでくれるかな。さすがに、店では食べてもらえないだろうからさ、反応わかんないのがちょっと残念。
「チンジャオロースなんか誰にやるんだよ、馬鹿なの、そうだ馬鹿だったなお前。」
わけてやらなかった負け惜しみのようにそう吐いて、やっとキッチンから兄貴が出てった。生憎これは人様に献上するものなのでね。
「だって、好きっていってたもんね。」
そうなんだよ、好物って言ってたんだから、絶対喜んでもらえる。
ケーキ食べてるあの嬉しそうな顔を思い浮かべたら、そんな細かいことなんかどうでもよくなってきた。
いっぱい食べてもらおう。男なんだし、足りなかったらだめだと思って、タッパーに入るだけたっくさん詰めた。兄貴にやる分なんて残るわけがない。
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