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15話
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多喜がお風呂に入ってる間に暇な俺は母親に多喜ん家泊まるってメールを送った後に空いてる時間でスマホゲーム…
しようと思ったんだけれど…あれ?よくよく考えるとさ、俺と多喜って恋人同士な訳で
それってつまり恋人のお家にお泊まりって言う一大イベントな訳だよな?
多喜の家には結構頻繁に泊まってるから全く深く考えなかったけど、これって恋人同士にとってはかなりドキ!ワク!なイベントのはず
普通に考えて恋人の家にお泊まりって付き合ったその日にするもんなの?
彼女いない歴=年齢の俺には分からないけど…こう、最低でも数ヶ月は要するんじゃないかと思うんですよ!
そこまでに至るには紆余曲折があるはすだ
しかし俺と多喜は幼馴染みみたいなもんだし…毎週末は大概どちらかの家に泊まってる
そもそも多喜の両親がスヤスヤと眠るひとつ屋根の下で何かしら事を起こす気は一切ないし、たぶん多喜だってそんな破廉恥此処に極まれり!みたいな事はしないと思うんだけど…
それに今更恥ずかしくてお泊まりなんか出来ない!って言うのも何か違うんだよな…
そりゃ、いつかはそう言う大人な行為もするんだろうけど…ここら辺はお互いはっきりしといた方が良いよな
そう言うすれ違いは不安に繋がるし多喜の考えてる事も聞きたいし
よっし!一人で悩んでも仕方ない!
ここは多喜が戻ったら話すリストに加えよう
なんか初めての事だらけなんだし分からないんだから多喜と話し合えば良いんだよな
付き合う前だって色々話し合ってきたし、変に身構えなくても良いんだよなーなんて考えたら肩の荷が下りてきた俺は多喜が戻る間にスマホゲームをして待つ事にした
「しょーちゃんお待たせー!」
そう言いながら多喜が部屋に戻ってくる
多喜は昔からお風呂上がりにちゃんと髪を乾かして来ない
俺が泊まる時は絶対に「しょーちゃんお願いします!」ってドライヤーを手渡してくるのだ
俺は起き上がるとベッドに腰掛ける多喜の前に立ち丁寧にタオルで水分を吸い取っていく
気持ち良さそうにする多喜の姿がワンコっぽくてかわいいと思う
「ほら、多喜ちょっと下向いて?」
「んーありがとうしょーちゃん」
「どういたしまして」
「ねぇしょーちゃん…」
「ん?どうした?」
「あのですね…」
後頭部をタオルドライしてると多喜が言いにくそうにもごもごとしだす
「えっと…ほんのちょっとだけしょーちゃんに…こう…ぎゅーっとですね、抱き着きたいな…と思うんですが!宜しいでしょうか!」
耳まで真っ赤にしながらくぐもった声で伝えてくる多喜の純粋さが半端なく俺をきゅんとさせた
何この子⁈敬語とか新鮮すぎるわ!
「あ、あの…嫌だったらしないからね」
反応の無い俺の態度に勘違いした多喜が凄い焦りながら言う姿がかわいくて思わず無意識に手が出た
「しょ、しょーちゃん⁈」
シャツ越しに多喜の熱い息がかかって擽ったい
「ばーか」
耳が熱くて熱くて溶けてしまいそうだ
これはこれで…うん、恥ずかしいよね
だけどそれ以上に胸がいっぱいになる
「嫌なわけないだろ?俺と多喜は恋人同士だろ?」
多喜の頭を抱え込むみたいに抱き締めると少し躊躇いがちに腰に回される多喜の腕
震えてるのがこっちにまで伝わってきて緊張する
「一々確認なんかしなくてもぎゅーってしたって良いよ」
バスタオルの隙間から覗く多喜の耳とか首筋が赤い
頷いてさっきよりもしっかり回される腕
「しょーちゃんあったかいね」
「多喜もあったかい」
「しょーちゃん良い匂いする」
「トータル的に芹澤家の匂いなんだけど?」
「絶対違うよ…しょーちゃんはしょーちゃんの匂いだもん」
「匂い匂いって、多喜って本当犬っぽいよな」
俺が小さく笑うとその振動が伝わるのか多喜が更にきつく抱き締めてくる
「犬になったら篠原家で飼ってもらいます」
「姉貴にいじめられそうだよな」
「え⁈今でも雪ちゃんに色々弄られてるのにそれは困る」
「前に多喜は犬みたいねってそう言えば言ってたわ」
「雪ちゃんにいじめられたら助けてね」
多喜が笑うからお腹の辺りが擽ったい
でも何となく放したなくて、多喜がくっ付いたままタオルで頭をかき混ぜる
「姉貴に勝てる訳無いので俺は助けられませーん」
「えー!しょーちゃんの薄情者ー」
そう言いながら2人で照れ隠しみたいに笑い合って、多喜のくっついてた部分がちょっとだけ湿ってたから俺は余計に多喜の事を愛しく思う訳で
「多喜ー…俺さ、ちゃんと多喜が好きだよ?
俺の事ずっと長い事想ってくれてた多喜の気持ちの大きさにはさ、流石にまだ追い付かないと思うんだけどね」
「しょーちゃん…」
「でもいつか同じ位の大きさに多喜の事好きな気持ちが成長すると思うからさ、俺のペースでちゃんと多喜の事大切にしてくから」
ーだから、好きになってくれてありがとな
見上げて来る多喜の目は真っ赤で、今にも溢れそうになってる涙を優しく手で払うと多喜は俺の手を握りしめてくる
「しょーちゃん、大好き」
本当に多喜は名前の通りの存在だ
その笑顔でずっと俺に多くの喜びを与えてくれるのだ
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