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事件発生 《看護師連続レイプ殺害事件》第1話
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階段を降りると別世界が広がっていた。
「…なんだここ。めちゃくちゃひろっ!?」
階段を降りたその場所は何処か日本離れした雰囲気があり、白衣を着た人や警官が何人か行き来している。
さっきまでの明るいオフィスから地下に降りたせいか少し肌寒く薄暗さがあり、薬品などの匂いもする。
でも不思議なのは奇警は確か…20人くらいしかいないはずだ。
何故こんなに人がいるんだ?
俺は柴田の後を追いながらきょろきょろと辺りを見回していると、柴田が振り向き説明を色々してくれた。
「奇警は、江本を入れて20人だけしかいないんだが、事件に関わった奴らが情報を集めたりして少しの間協力してくれる。だが、その間は自分がいた課には絶対に戻さない。情報を漏らさせない為だ。もし、何かの情報が外部に漏れ、情報を流した奴が見つかればそいつは日本から追放。2度とこの国に戻さない様にするんだ。だから、江本も気を付けろよ。」
さっきまで笑っていた顔が真剣な表情になっているという事は本当らしい。
噂通り奇警は特別なんだな。
そんな事を考えているとある部屋の前で止まった。
「さぁ、ここが会議室な。早速だが事件が起きた。詳しくは中で説明がある。今日は見学程度で構わないが、しっかり話を聞いて事件内容を頭に叩き込め。」
「分かりました。」
柴田は言い終わると俺の肩を掴み引き寄せ耳元で小さく呟いた。
「証拠ってな、この課じゃ凄く重要なんだ。だから、現場に着いたら科捜研のメンバーが証拠採取してる間は触って良いと言われるまで触るな。あと、悲惨な死体を相手しなきゃならなくて、吐きそうになったら我慢せずに外に出てテープの外に出てから吐け。もし我慢できなくてうっかり吐いたら証拠を消しかねない。俺が新人の時に経験しててな、大事な証拠の上に吐いちまって…捜査を邪魔した事がある。
絶対に無理するな…いいな。」
柴田はそう言うと会議室の扉を開けた。
「遅れてすんません。江本もちゃんと連れてきました。」
中には大きなテーブルを囲んで何人かが座っている。
そこにはさっきいた田辺・亘・永久がいる。
上座には俺の上司になる人が座っていた。
この人は氏家さんと言って今じゃ警視となりこの課の一番偉いひとだ。
昔からの知り合いで幼い頃沢山お世話になった。
俺の顔を見てパッと立ち上がり、俺を強く抱きしめてくれた。
「やぁ、久しぶりだね!こんなに大きくなって!さぁ、2人とも座って座って。さっき連絡がきてね。女性の変死体が発見されたんだ。江本くんは初日だから先輩たちの働きぶりを見て沢山学んでね。」
俺と柴田さんは空いてる席に腰掛けると背が低く目がぱっちりの女性が書類をくれた。
俺が書類を受け取ったことを確認したのか氏家さんの隣にいた男がホワイトボードにひっくり返し、何枚かの写真を貼った。
その写真はここからじゃあまり見えないが女性が写っている事は分かった。
男はボードペンを持ち説明を始めた。
「さて、みんなが揃ったのでついさっき連絡があった女性の変死体だが、以前も似たような事件があった。今回の被害者はとある病院の看護師で名前は細江真紀。彼女は昼番で勤務はいつも18時頃に終わる。だがその日は夜勤の人間が風邪で休みになったらしく、彼女は夜勤も勤めた。夜勤は患者の様子を見るのに見回りがある。彼女は12時頃見回りに出る。見回りの交代時間になっても戻ってこない彼女を不審に思い何人かの看護師が病院内を探し回ったが見つからなかった。看護師達はもしかしたら勝手に帰ったのではないかと思い、自宅に何度も電話をかけても出なかった。そして、彼女の携帯にかけてみたらしい。だが、それにも出なかった。そして探し回り朝を迎え、医者が朝から手術の予約が入っていたらしく準備の為に何人かの看護師と手術室に入って彼女を発見。現場は異常な光景だったらしく、医師は奇警に連絡を。被害者は前回同様で右手を右足首に左手は左足首に結束バンドで縛られ、俗に言うM字開脚にされた状態で手術のベッドに縄で固定されていた。同じ手口だった為連続殺人事件と見て間違えないだろう。現場はそのままにさせている。これから役割を決め、現場に向かってもらう。以上だ。後は犬塚に任せる。俺はもう一つの現場に行く。」
そう言うと男は扉に歩き、出ようとした時だった。
男は俺の方に近づきじっと俺を見てきた。
するとふっと笑い顎を掴まみ顔を引き寄せられた。
「はっ!可愛い顔をまた拝めるとはな。あの時とはまだガキだったが…今は立派な大人。これから楽しみだな、諒。」
男はじゃあなぁーと言いながら頭をわしゃわしゃ撫でて出て行った。
俺は訳が分からず出て行った扉を凝視し、隣の柴田を睨むような形で見た。
「あの男誰っすか!?」
柴田は苦笑し俺の肩をぽんぽんと優しく叩いた。
「あの人はこの課の警部補で桐生一二三さんだ。かなり優秀な人で無口な人なんだが…お前めちゃくちゃ気に入られたな!」
ニカっと悪戯っぽく笑う。
こほんっと小さな咳払いが聞こえ、そちらを向くと綺麗な女性がこちらを笑顔で睨んでいた。
「そろそろ話を進めてよろしいかな?」
間違えた。
凄いハスキーな声。
綺麗な女顔の男だ。
俺は小さくすみませんと謝ると彼はため息をつき話を戻した。
「新人がいるからまず、自己紹介からだ。俺は犬塚司、見た目はこんなんだが一応男だ。見た目だけで女だと思った事は忘れてやる。さぁ、科捜研メンバーは今ここにいる田辺、亘、永久と翠で行ってくれ。後は俺と柴田、新人の3人。よし、見落としがない様に念入りに調べよう。これ以上被害者は増やさせない。」
そう言い、犬塚は椅子にかけていた上着を手に取り先に出て行った。
俺はぐしゃぐしゃにされた髪を整え、また柴田を睨む。
柴田は落ち着けと言わんばかりな顔で立ち上がりほら行くぞと宥めさせられ俺たちは犬塚の後を追った。
さぁ、見を引き締めて頑張ろうと深呼吸した。
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