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蒔田から深山に。まだ伝えてなくて、伝えなくちゃならないことがあった。花火の時に、そういうムードになって,言えたら良かったけれど、邪魔が入ったから。
それに、これまでなんだかんだ別の言葉で(深山のことを大事だとかそういうことは言ったけど) ごまかして、そもそも友情との境目が自分自身でもはっきりしなくて、はぐらかしてきたことがあった。
今がそのときかそうでないかなんてわからないけど。真っ直ぐ言わないと、後悔する。
「ミヤさん。好きです。」
すぐ目の前で、深山の大きい黒目が揺れた。
照れ隠しに蒔田はそのまま続ける。
「ちゅーって、子供っすか」
口元を拳で隠したままの深山の右腕を捉えて、蒔田はかすかに笑った。
「べろ、入れてないし」
そう言いながら覗きこむと、深山はすい、と視線を左下に逸らした。これは深山の、照れたときのくせだ。
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