アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-5
-
宥めるように、髪を梳り、心を籠めて、千色に愛を語った。
恥ずかしそうに身を捩っていたのは初めだけで、徐々に力が抜けて行き、
終いにはすうすうと可愛らしい寝息を立てて脱力してしまった。
私は、急に眠ってしまったことに、少し驚いてしまい、
慌てて声を殺し身振り手振りで、小百合とあかねを呼ぶ。
「新さま。大丈夫ですよ。月の物の時って、眠たくなる子もいるんです。
それにここのところ生理前の痛みであんまり眠れていなかったみたいだから、
きっと新さまにお祝いしてもらえて、嬉しくて安心して眠くなっちゃったんだと思います」
「あかねや小百合もかい?しんどくて眠かったりするのならば、生理休暇とか取れるようにしようか?」
あかねがこんなにはきはきと話をする子だなんてと驚きながら、女性のデリケートな体のことを心配になる。
千色が辛いのならば、彼女達だってそうなのではないかと。
「あたしやあかねはさ、元来丈夫な造りで。生理痛なんて軽いもんだよ。
休んでおまんま食い上げるほどやわには出来てないのさ。ま、苛々するかな、いつもより。その程度だ」
「あたしは終わり頃、ちょっと頭が痛いのと、お腹が痛いぐらいです。
でも小百合ちゃんと一緒で、働けないほど酷くはありません。ただ…ちぃはきっと重いよ、ね?」
小百合が瞳を伏せ、深く息を吐く。あかねも心配げに眉を下げている。
「うん。生理中は学校を休ませようと思うんだがどう思う?」
「「賛成!」」「その方が、あたし側で面倒見てあげれます」「貧血起こすんだ、良い物食わせないと」
実に頼もしい応援団達に、私は自然と愁眉を開く。
「ありがとう。本当に助かる。よろしくお願いします。じゃあ、寝かせてくるね」
私がそっと抱き上げようとすると、二人からストップがかかる。
どうやら、眠る前にもいろいろ支度がいるらしいのだ。
可哀想だが、皆で揺り起こし、二人に支えられ千色は自室に帰って行った。
私は、二人が後顧の憂いなく思う存分、千色にかまえるよう、
遠藤に声をかけ、習いながら、覚束ない技で、後片付けをした。
いつか千色と二人きりで暮らす為には、たくさんの日常を学ばなければ。
こんな風に、具合が悪い時に、安心して彼が眠れるように。
「なあ、遠藤。私は、ここにずっと、千色と暮らすからな。
だからお前も長く生きて、私達を一人前になるまで、支えて欲しい。頼むぞ」
遠藤も、そっと笑みを返してくれ。「喜んで」と一言だけの誓いをくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 41