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フランスパン
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「あっ……ふら…………そ…パン?」
ユーリはテーブルの上のフランスパンを見つけると、小さく声をあげた。
ちょうど用意されていたらしい。
用意したコックに何かしらの礼をしなければ。
「フランスパン、だ。覚えておけ。」
「…は、はい…!…ふらんす…ふらんす…ぱん…」
アーサーは真剣な目で繰り返すユーリの手を引き、ユーリを座らせると、自分もその横に座った。
と、ユーリが不思議そうにアーサーを見上げる。
「…アーサー様…?」
(……?……いつも前に座るのに…)
「……これからは隣にいるから私の真似をして食べろ。マナーは必要だからな。」
「…あ……わかりました…!」
恐らくマナーの意味はわからないだろうが、ユーリは元気よく返事をした。
「ナイフはこうで…フォークは…そう、そうだ。」
アーサーの手元を真剣に見つめながら、自分の手を動かす。
どうやらこの持ち方で合っているらしい。
「…でき、た…」
ユーリはアーサーの顔を見る。
「……よくやった。」
頭を撫でてやると、ユーリは最初こそびくりとしたものの、徐々に目を閉じて気持ち良さそうな顔になった。
「…ありがとうございます……ふふ…」
(………可愛い。)
アーサーはしばらく撫でてから、ユーリの頭から手を離し自分の食事を再開した。
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