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数秒、青年と目が合う。
瞳が閉じられていた時から端正な顔立ちだとは思っていたが、瞳が開かれているだけでさらにイケメン度合が上がった気がする。
綺麗な金髪に深い夜の瞳。
ミスマッチなように見えてすごく馴染んでいる。
「・・・転入生、か?」
やはり寝起き特有の掠れた声はどこか色気さえ含んでいるように聞こえてしまう。
「あ、はい」
さっきから自分はまるで夢でも見ているかのような気分だ。
現実味がないというのだろうか。
間抜けにも口を開けて意識なんてどこかに飛んでるかのように返事をしてしまう。
「悪い、寝てたようだな。待たせたか?」
垂れていた前髪をうっとうしそうにかき上げながら視線を春樹へと寄越す。
それもまるで何か映画のワンシーンでも見ているようだ。
「い、いえ・・・」
曖昧に返事をしながら春樹は頭を振った。
その春樹の反応に青年はふう、とため息をついた。
「今度の転入生はどうやらまともなようだな」
「今度の、って・・・?」
ため息をつかれた意味が分からない。
だが、話の内容を察するに、どうやら悪い意味でのため息ではないらしい。
それでも意味がよくわからなくて首を傾げる。
「去年の5月、ちょうど1年前にお前と同じように途中編入してきた奴が居てな。色々大変なんだ。今も」
”色々”という言葉に含みがあったような気がするのだが、1年も前に自分と同じように途中編入した人がいたとは・・・親臨学園から誠美学園に転入した人なんていなかったから一般から入ってきたということなんだろう。
「お前・・・あぁ、名前を言うのを忘れていたな。俺はこの学園の生徒会長、柏木智也だ。」
「あ、俺は清水春樹です・・・って!!生徒会長!?」
はぁ!?
思わず大声を出してしまっても仕方がないと思う。
親臨学園でもそうだったが、生徒会長はその学園で1番人気のある人物だ。
それはこの誠美学園でも変わりはないはずだ。
いや、確かに他では滅多に見られないぐらいイケメン様ですけども・・・えぇー・・・
ぱっかーんと口を開けても俺は何も悪くないはずだ。
「くっ・・・はは、そんなに驚くことか?・・・あぁ、清水は親臨からの転入、か。」
そんな春樹の反応に笑った生徒会長、基、柏木は親臨からの転入ということで合点がいったように頷いた。
まさか笑われるとも思っていなかった春樹は呆気にとられてしまう。
失礼かとは思うがまさか柏木が声を出してまで笑うような男に見えなかったのだ。
それは、ひどく綺麗に見えたが同時に目の下にあるクマにも気づいてしまってひどく勿体ない気分になった。
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