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扉を開けば、玄関にはたくさんの靴が並べられていた。
神崎君とやらの友達だろうか?
たくさん友達がいるみたいだなぁなんて、呑気にもその時は思っていた。
リビングに繋がるだあろう扉は閉め切られており、春樹がこの部屋に入ったことには気づいていないようだった。
それにしてもうるさいなぁ
扉は閉められているというのに、中にいる人達の声がよく聞こえる。
こんなうるさいのはあんまり好きじゃないんだけどなぁなんて思いながら、リビングへと繋がる扉に手をかける。
ガチャリと音を立てて開いた扉の先に見えたのはなんともカオスな光景だった。
今時珍しい瓶底眼鏡で頭は洗っているのか心配になるほどのぼさぼさな鳥頭。とりあえず顔の半分は前髪で隠れていて見えない男に美形の男達がまるで姫を取り囲んでいるかのような光景をカオスと言わないでなんと言えばいいのだろうか。
思わず、真顔で固まってしまう。
俺の中で未だかつてないほどの動揺に見舞われてるんだけど!?
どうしたらいいのこれ?
え、これってこの学園じゃ普通なの?
俺がなんかおかしいの?
なにあれなにあれ・・・・と呪文のように唱えていると、その奇妙な少年が春樹の存在に気付いた。
「あーーーー!!!お前、俺の同室者のやつだろ!!??」
なぜにそんな大声で叫ぶ必要があるんだと声を大にして言いたいところだが、その少年がそんなことを叫びながら指を指すもんだから周りの美形達も俺に気付く。
指は指すなとか言いたいことは色々あるけども、美形達の眼力が怖くて何も言えません・・・
「あなたが静の同室者ですか?」
「ねぇこの子ー、静に手出したりしちゃわないー?」
「えー平凡ー」
固まっている俺に向かって美形達が口々に口を開く。
一番初めに口を開いたのは綺麗な黒髪に眼鏡が似合っているクールビューティ
次に口を開いたのは茶髪にゆるくパーマがかかっていて耳元の赤いピアスが印象的だ。
唇の右下にもほくろがあってなんだか卑猥だ。卑猥な人だ。
最後に口を開いた人は少し身長は小さくてチョコレート色のさらさらな髪が靡いている。
大きな瞳。かわいい、と誰もが口をそろえて言うだろうこれまた美形少年だ。
美形なのはよくわかった。
それにクールビューティは同室か聞いてきているわりには殺気がビンビンだ。
とりあえず、俺がその静?君の同室だとよろしくない雰囲気だ。
卑猥な少年も目が笑ってない。
かわいい少年は俺の容姿に不満ありなみたいだ。
平凡で悪かったな。
とういうかだな、平凡って別に何も悪くないからね!?
お前ら美形様がもてはやされるのは俺みたいな平凡が居るからなんだぞ
そこんとこ分かってんのかこいつら。
なんて、全然関係ないことを考えていたら、
「ちょっとー平凡のくせに無視ぃ?」
卑猥な少年が目の前まで寄って来る。
目の前に来たことでキラキラ度が上がった気がする。
恐るべし、美形。
あと、平凡のくせに無視とかなんだ、こら。
喧嘩売ってんのかとメンチを切りたくなるが、それは心の中に閉まっておこう。
「い、いえ、無視とかは・・・・」
「んーほんっと何の特徴もない平凡」
卑猥な少年は面白くなさそうに瞳を細めながら、春樹の顎に手をかけてくる。
春樹よりも高い身長のせいで上を見上げる形になってしまう。
しかし・・・この体勢は色々気まずいんだけど?
しかもなんか近い近い近い
パーソナルスペースはもっと守るべきだと思うんだよね。
「静に手を出しそうなら今のうちに潰しておかないと、だよねぇ?」
平凡とか特徴ないとか散々失礼なことを言いながら挙句の果てにはそんな怖いこと言っちゃうの!?
なにそれ怖い。
あと静って誰?なんて聞けない。
いやなんとなく誰かわかるけど信じたくない。
静って名前の人がさっきのうるさいモジャモジャなんて信じたくない。
静って名前を明らかに裏切ってるからね!?
「やだなー、こんな”平凡”捕まえて何を言ってるんすかぁ」
にこっとひきつった笑いを浮かべながらそう言った。
「俺は何事においても”平凡”なんで安心してくださいよー」
もう面倒になってきた。色々この状況がね。
なんだか美形ばっかりに会って疲れた。
早く寝たいんですけど。
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