アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
発覚。.2
-
すべての授業が終わり
白井へ送迎のショートメールを送る
視界に入るケースを見るたびに
胸の中に募る怒りの感情は増すばかりだった
何で橘から貰ったものを
親からだなんて嘘をついたの?
彼から貰ったって言えば
壊されると思った?
僕は功太が素直に言えば壊すなんてしないよ
それに使う事もなかった
取り上げた携帯と一緒に
保管しておいてあげるのに
壊されると思って嘘をついたとすれば
それはやはり理樹を庇っているという事だ
ここに連れて来た時から
いつまでも功太の中の彼の存在は
消えない
それが解せない
許せない
功太の物を持ち歩けば
何処ででも一緒にいるって思ってた
でもこれは功太の物じゃない
彼が功太にあげた
彼の物だ
そう考えるとやはり
感情が昂ぶってしまう
その何よりの原因は
これが理樹のものか功太のものかという事よりも
功太が嘘をついたという事だ
両手で拳を握る蒼は奥歯を噛みしめる
「お待たせ致しました、蒼様」
白井の声が聞こえハッと我に帰る
特に何も言わず、白井へ微笑むと
そのまま車へ乗り込む
白井はその様子を横目に扉を閉めると
運転席へ戻る
「何かありましたか?いつもより元気がないようですが」
前を向いたまま蒼へ問いかける
蒼もまた窓の外に視線を向けたまま口を開く
「....うん。功太が僕に嘘付いたから....」
力なく呟いたその言葉には
悲しみを伺わせるが
強い怒りの感情を感じさせた
「.....左様でございますか」
バックミラーを一瞥しながら
淡白に白井は呟く
そこからは
屋敷へ到着するまでの間
一切の会話が無かった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 131