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寝室
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和哉が涼真が横たわっているベッドにゆっくりと近づいてくる。
瞬時に涼真は後づさりしようとしたが、ベッドに両手首を縛られていて、逃げようにも動けない。
「…やめ、て!…来な、いで、ぇ…!」
必死に叫びながらベッドの上で両足をじたばたさせると、途端に和哉が傷ついた顔をした。
え…?
どういうこと…?
すると、和哉は縛りつけられた涼真の手首を解くと、涼真の隣に腰掛けるなり、涼真をぎゅっと思い切り抱き寄せた。
「……ごめんな涼真」
「和、哉」
「……俺、お前が来夏と付き合ってるって聞いて嫉妬した。それで、抑えられなくてお前を無理矢理抱いちまった。…俺の方が、来夏よりずっとお前のこと愛してるのに、何で涼真は俺の気持ちに気づかねえんだよって……そう思って…!…ごめんな、俺はお前にとって、親友でしかない。俺はお前の中でそれ以上になってはいけないんだと思う。……もうこんなことしないから。だから…ごめんな」
言い終えるなり、和哉は、力なく笑ってベッドから離れようとした。
「待って…!」
気づけば、涼真は和哉の手を掴んでいた。
和哉はバツが悪そうに顔を背ける。
「…何」
「……和哉…!俺は…俺は…!」
ーー何か伝えなければと思うのに、言葉が出てこない。
和哉が小さく息を吐いた。
「用がないなら、手を離してくれないかな?あとさ、…まだ媚薬の効果きれていなくて辛いでしょ?これ、解毒剤だから。これ飲んで今日は寝てた方がいいよ。腰も痛いだろうし。涼真の中に挿れた精液は、昨日涼真が気絶したあと出しておいたから、その心配はしなくていい。……ベッドのシーツ洗うから、いい加減どいてくれない?」
和哉は話している間、涼真の目を一切見ない。
口調も、普段とは打って変わってきつい。
和哉から渡された解毒剤を飲むと、飲んだ途端に体の熱が冷めた。
ベッドのシーツから降りると、和哉がシーツを新しいシーツに交換する。
その間に、涼真は、近くに置かれた濡れたバスタオルで体を拭く。
和哉は、汚れたシーツを手にとると、寝室を出ようとした。
耐えられず、涼真は和哉の手をもう一度掴もうとする。
「……待って、和哉…!」
バスタオルを床に投げ置き、精一杯手を伸ばす。
すると、和哉に拒まれた。
「……涼真って、結構ひどいところあるよな。…せっかく人が決心して行動してるってのに。どれだけ俺の気持ちを弄んだら気が済むの?」
「そ、そんなの…!」
「涼真は分かってないんだよ!!……俺が、どれだけ涼真を思ってきたか…そして、俺がどんなにお前に触れたかったか…!……だけど、涼真が来夏という恋人を作った今、俺の入り込む隙間なんてねえんだよ」
「そ、そんなことない…!俺は、今でもお前を大事に思っている!」
和哉は、ふと振り返る。
そして、また力なく笑みを浮かべる。
「涼真の、俺を大事に思っている気持ちと、俺の、涼真を大事に思っている気持ちは、違うんだよ」
それだけ言うと、和哉は、寝室を出た。
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