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Look at me!!! 7
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弛く縛られた腕をそのままに、腹の上の影山へと腕を伸ばす。
及「飛雄に触りたいから、……解いてもいーい?」
クシャクシャ、と影山の黒髪に触れる。
すると若干顔を上げて、瑠璃色の瞳がこちらを覗いた。
影「…………………いい、ですよ」
口元は及川の服に埋もれていたため、随分とくぐもった声だった。
ぐりぐりと及川に額を擦りつけてくる。
まるで早く構ってくれと言わんばかりに。
影山のこの仕草に、及川はつい顔がにやけそうになる。
そして、もっと苛めてやりたいとも思う。
必死になっている影山をもっと見たいのだ。
無我夢中で追い掛けて、独占欲に塗れた影山を独占したいのだ。
あーもう…、クソかわいい…。
やはり容易く解けた腕を、影山の両脇に差し込む。
及「おいで、飛雄ちゃん」
ずりずりと身体を引き摺るようにして、目線が同じくらいの所まで影山を引き上げる。
まだ拗ねたような表情は戻っていない。
けれどその中に、きゅっと今にも泣き出しそうな、恥じらうかのような表情が垣間見える。
眉間の皺を伸ばすように、そこに唇を這わせた。
影「…及川さんは、ずりぃッス…。そりゃ俺は…、男、だから…、女子みてぇにかわいくねぇけど…。何で俺には優しくしてくれないんですか…。」
俯いた顔に前髪がさらりと流れ、長い睫毛が影を落とした。
及川から見ると影山の旋毛まで見えて、不謹慎にも可愛いと思ってしまう。
きゅ、と影山が及川の服を摘まんだ。
及「お前だからだよ…。飛雄」
きっと情けない顔をしている。
それを見られたくなくて、及川は影山を更に抱き寄せた。
きっと、今の言葉の意味は伝わっていないだろう。
お前だから、こんな子供じみた嫌がらせをしてしまう事。
そんな"特別"望んでいないかもしれない。
及「ねぇ飛雄…、俺だけを見てよ」
両手で影山の頬を包み、上を向かせる。
やはりさっきの言葉の意味は通じていないらしく、きょとんとした難しい顔をしていた。
しかし今のは流石にわかったらしく、途端にムスッとした表情になった。
影「それ…、俺のセリフですよ。いっつもよそ見してるの、及川さんじゃないッスか」
この人に追いつけるのはいつだろう。
たとえバレーで勝ったとしても、どうしたってそんな日を実感する日は来ないのかもしれない。
追いかけるのはいつも自分だった。
この人には、きっと一生敵わない。
そう、思っていた。
及「そうやって、俺だけ見てて」
やっぱり、俺には及川さんの言うことはいまいちよくわからない。
けれど、今こうして抱き締めてもらえるのなら……
何もかもどうでもいい気がした。
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