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日曜日の収賄。10
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関係が長いなら、冴島とは違った櫻井の姿をこの三つ子は知っているということなのか。
そろそろ煙草が欲しくなった唇を撫でながら考える。
しかし、聞いたところでどうなるということもない。
ないのだけれど。
「櫻井陽樹ってどんな奴?」
朔良を置いてけぼりにして去年の話に花を咲かせていた三つ子が、一斉に朔良を見た。
同じ顔三人にいっせいにみられるっていうのは意外と迫力がある。
「いい奴ですよ」
「ノリいいし」
「何かっていうと手ぇ貸してくれるしな」
生徒からの反応は冴島が言ってた通りなのか。
だからと言って、櫻井の正体が見えたわけでもない。
「基本聞き役に徹してる感じ?」
「それは翔太がしゃべりっぱなしだからだろ」
「いや、あいつ話易いんだって」
三つ子の三人が三人とも高評価を下す。
しかし、三年が一年相手に話しやすいというのはどういうことなんだ。
「でも、こうと決めたら、こうだよな」
啓太が自分の顔の幅に両の掌を立てて置き、そのまま、まっすぐ前に押し出した。
視野が狭い。あるいは融通が利かない。頑な。
そんなことを示すジェスチャーだった。
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