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こんな馬鹿らしい遊びに付き合ってられるか!
今すぐここから出て行きたい。
こんな場所に、いたくない。
もし、ここから出してもらえないなら、死んだほうがマシだ。
俺は本気でそう言ってんのに、中山は面白そうな物を見るように目を細め、不気味な笑顔で言う、
「俺は殺してない」
と。
確かに自殺と言ったが、俺にはそう聞こえない。
絶対に、こいつが何かをした。
智也が、そんな簡単に死を選ぶわけない…
「なーんも知らない顔してるね。
そっか、本当に何も知らないんだったね。だって、入江から逃げちゃったからね」
「お前にっ……何がわかる」
「俺?俺は全部知ってる。入江の全部知ってる。入江の事をわかってあげた」
ゆうきは自分のことしか考えないから〜
その言葉を聞いて、何も言い返せなくなる。
本当に、俺は何も知らない…
智也が何を考えてるのか知らない。
今、何を想って…何をしてるのかも、知らない。
「ゆうきはね、怖がりすぎなんだよ」
怖い…
智也が何を考えてるのか知るのが怖い。
俺を好きじゃないってその口から聞くのが怖い。
否定されたくない。
いつまでも俺を好きでいてもらいたい…
「自分勝手なゆうきくん」
自分勝手だ。
智也の言い訳なんか聞きたくない。
俺だけを好きでいればいいのに…
ずっと、俺だけを想ってくれたらいいのに…
「だから入江は辛くなっちゃったのかもね」
俺が…悪かったんだ…
俺が、もっと、智也の事をわかってあげてたら…
自分なんか捨ててたら…
「あ、でも、自分を捨てるなって言ったの、俺だったね…」
そんな事を呟いてた声は俺の耳には入らなかった。
ただ、悔しいだけ。
自分勝手なのは、俺だった。
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