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ーサビー
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そろそろ抜糸しないといけないな
でも怖いのは事実
そのまま消えてしまいそうで不安だった
「楓」
「うん」
「今日は抜糸しよう」
「わかった」
傷は塞がっていた
完治に近い
静かな部屋に響き渡るはさみの音
「傷は目立たないように縫合したから」
「見えない場所だから気にしなくてもいいよ」
「そうだが・・・」
出来ればこれ以上傷を付けるのが嫌だった
それだけの理由だとは言えない
「出来た」
「ありがとう・・・今まで」
まさか・・・本当に出て行くのか?
でも、止める権利は無い
「楓」
「俺、出て行った方がいいよね・・・ずっと仕事を休ませてしまったし」
「出て行きたいのなら止めない・・・でもそれは本心なのか?」
「・・・・・・・・・・・・わからない」
「じゃ、わかるまでここにいなさい」
「だけど、そんな事言われたらずっと居てしまう」
「それはどういう意味だ?」
「だから・・・・・だから俺」
黙り込んでしまった楓
確かに困らせるような事を言ってしまったかも知れない
「そんなに考えなくてもいい、私の気持ちを伝えた方がよさそうだね」
「気持ち?」
「そう、気持ち」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「このままここに居て欲しい、ずっと傍に」
「朱雀」
「ベタ過ぎる告白だが楓の事を知る度に好きになっている事に気付いたんだ・・・これからは私が楓を護りたい、私では頼りないかな?」
「俺・・・ホントは出て行きたくない・・・・・怪我なんて治らなければいいとずっと思っていた」
「本当の心の声を聞かせて」
「・・・・・・・・俺も朱雀が好き・・・でも俺は愛される資格なんてないから」
「過去の事は気にしてはいない・・・いや、嫉妬しても過去には戻れない、だったら未来を見つめようと思った・・・でも約束して欲しい、もうあんな事は言わないと」
「でも、俺は仕事も出来ないしこれからも迷惑しかかけられない」
「それでも傍に居て欲しい」
「・・・・・・・・・・・・」
「駄目かな?」
俯いたまま動かない楓を見つめた
返事はNOなのか?
私まで不安になる
「俺でいいの?」
「楓じゃなければ駄目なんだ」
「うん・・・どうしよう、嬉しい」
「あの日、玄関の前で倒れてくれてありがとうと言うべきだね」
「じゃ、俺は刺された事をよかったと思うべき?」
「それは・・・と言うか何故刺されたりしたんだ?」
「あの日、すごく疲れててやられるのが嫌だった・・・断ったら5人で襲い掛かられて気を抜いたら刺されてた」
「えっ・・・5人?」
「うん、4人は仕留めた」
「成程・・・では残り一人は始末しよう」
「えっ?」
「楓の過去を知る奴らは必要ないだろ?」
「そうだけど・・・」
「私も裏の人間には少し詳しいからね・・・だから心配するな」
「うん」
あいつに頼めばすぐに始末してくれるだろう
お返しは、酒で十分だな
殺しを楽しむような奴だし・・・・・
「楓、愛してるよ」
「俺も」
いつも触れていた体を抱きしめて瞼にキスをした
ずっと抱きしめたいと思っていた
触れると抱きしめるとでは意味が違う
そのまま頬を伝い唇を優しく噛んだ
やばい
舌のピアスの使い方がエロい
でも今は我慢だな
傷口が広がってしまったら元も子もない
「今日からよく眠れそうだ」
「どうして?」
「不安だったのさ、楓が消えてしまいそうで」
「じゃ、問題解決だね」
そう言って嬉しそうに笑った
「ああ」
こんな笑顔も出来るのか
また楓の一面が見れて嬉しい
どうやらこの猫はなついてくれたらしい
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