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どっちがリアルなの。
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「綾都っ!」
「…っは、は…っ、え…?」
「綾都しっかりしろ」
「かず…や」
目の前には和也。
視界に入るのは自分の部屋。
これが夢?
また気を失って…都合のいい夢を見てるだけなのかな。
「夢なら…覚めない、で…っ」
頬に伝う冷たい涙。
その涙を和也の指が拭う。
「夢じゃない。こっちが現実だ」
「俺、また都合いい夢見てるだけなんだ…っ起きたらまた、仁さんが…っ」
「綾都」
いきなり暖かいものが俺の唇をふさいだ。
出てくる涙をこらえてよく見ると、それは和也の唇。
押し付けるように唇を塞がれ、苦しくなる。
「…んっぅ、んぅ…っ」
「…落ち着いたか?」
「…う、ん」
和也の唇が離れる。
いつの間にか涙がこらえなくても出なくなった。
「こっちがリアル。綾都は夢にうなされてたんだ。分かるか?」
こくりと頷く。
「起きたら…また続きをって、言われてっ、こわ、かった…」
ぎゅっと和也に抱きしめられる。
和也の大きな手が、体が、いつもは羨ましいと思うのに、今はとても心地よく思えた。
「忘れて。忘れろ、綾都」
忘れ…る?
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