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友達 冬馬side
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そして、結局紅那を車に乗せ家へと送る準備が完了したのは午後6時を回ってからだった。
夜飯は食べていないが、俺も紅那も腹は減っていなかったから何も食わずに紅那の家へと車を発進させる。
俺は家の場所を知らないため紅那の道案内を頼み、普通の会話も挟みながら言われた通りに運転すると、20分とちょっとで小さなアパートに到着した。
「ここ?」
「そう。二階の右の部屋。」
「え?二階?」
言われた部屋に目をやると、何故かその部屋は明かりがついていて、思わずそう聞き返してしまう。
誰かいるのか…?
彼女…
まさかな、俺と付き合うって言ってたしそれはないか。
でもじゃあ…
ルームシェア、とかかな…
すると紅那は、そんなことを考えている俺の顔を見てそれが伝わったのか、少し申し訳無さそうに口を開く。
「あ…、えっと、今ちょっと訳あって友達が一週間ぐらい泊まってるんだ。」
「あ、そうなんだ。そうゆうこともあるよな。俺も職場で潰れた奴とか世話してやることあるし、わかるわかる。」
紅那に気を使わせたくない俺は、咄嗟にそう答える。
でも本当は、
すごく嫌だと思った。
泊りとはいえ紅那が一緒に暮らしてる奴いる。
男か女か分からないけど、そんなの関係なくどっちだとしても嫌だった。
もしも女だったら、好きじゃない男の家になんて泊りに来たりしない。
もしも男なら、こんなに照れ屋で可愛いくて白くて小い紅那にいつ惚れてしまうか分からない。
こんな考え方しか出来ない俺がおかしいのかもしれないけど、本当に不安になってしまう。
紅那が俺のことを好きだと言った気持ちは、ちゃんと信じてる。
でも、いくら紅那にその気がなくても、無理矢理襲われたりすることだってあるかもしれない…
やっぱりそれは、恋人としてすごく心配で仕方のないことで、紅那が車を降りた後、家に向かって歩く姿を見届けることすらも俺は辛いと感じてしまった。
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