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夏雨バスタイム
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雨上がりの空の下。
寒いな!、風呂入りてぇ!、など騒ぎながら帰る土手沿いの道を歩いていた。
『……みんな…すまんかっなぁ………』
後方から1人トボトボと歩いていた駆が立ち止まった。
駆以外の5人が後ろを振り返る。駆は手を強く握り締め、俯いていた。
そんな様子の駆に柚樹は近づき、背中を叩く。
『何言ってんだ、気にすんなよ!んな事!』
『柚樹の言う通りだよ、大丈夫』
『でも………みんなの勉強の時間、俺のせいで潰れた…し。ごめん…っ!』
『そんな事、気にするもんやない。今日の分の時間なんていつでも取り戻せるやろ。……それより見てみぃ、空。』
京佑が人差し指を空へ向けた。6人は空を見上げる。
『あっ………………』
先程まで降っていた雨は上がり、空には鮮やかに浮かび上がった虹が輝いていた。
『虹やぁぁ…………』
このところ、ずっと雨が降っていなかった為、虹を見るのは久しぶりの事だった。
『この虹を見れたんやから、外出て正解やろ。そー考えればさっきの事も良かったて思えるやろ?早く帰ろーや。先行っとるで』
身体の方向を変え、歩き出した京佑。唖然としている駆の隣で
((京佑がっ…………あの京佑が駆を励ましてるっ………))
泣きそうになりながらも必死に声を抑える俺と柚樹。
『な……』
『駆、何か言った?』
『ううん、何も言うてへん!ほな帰ろか!』
俺達はスタスタと先を歩いている京佑の元へと走った。
『なーーー!駆も早く来いよぉーーー!!』
手を振りながら駆を呼ぶ柚樹。
『おぅ!!いま行くでー!』
『………………みんな、…………ありがとぉな……』
ヒッソリとそう呟くと駆は皆の元へ走った。
家に着くと、もう夕方になっていた。
((…どんだけ駆の事探してたんだよ……。))
『…さっむい……寒いぃぃ…』
『これ…ほんま風邪引くで……風呂入りまへんと…』
みんな雨で濡れた身体を早く暖めたいとブルブルしている。影宮くんが急いで持ってきてくれたバスタオルのせいで少しは寒さが和らいだが、さすがにバスタオルだけで耐えろというのも無理な話だ。
『俺ん家の風呂、まぁ大きい方だとは思うけどさすがに6人は入り切れねぇよ。』
『ほな…2人ずつで入ろか……勉強のペアでええやろ……』
『おっけー、いいよー。じゃあ駆と影宮と俺でジャンケンな』
駆と影宮くんと柚樹でジャンケン。入る順番は次のようになった。
①駆、京佑ペア
②柚樹、陸人ペア
③影宮くん、海翔ペア
『ふっ、たまには駆も役に立つもんやなぁ…。
ほな、お先失礼しますわぁ』
たまには?!、とキレる駆をズルズルと引きずりながら廊下の奥へと進んでいく京佑。
『リビング、暖房付けたから2人が上がるまでここで待機な』
影宮くんが暖房を付けてくれたおかげでリビングはだんだんと暖かくなってきていた。まさか夏に暖房を使うとは思わなかった…。
残った俺達4人は上半身を脱ぎ、バスタオルで身体を包んでいた。
しばらく経ってからガラッと風呂のドアが開いた音がした。ペタペタと濡れた足音。こちらに向かってくる。
リビングに入って来たのは駆を抱きかかえた京佑。
『出たで。次の2人、入りーや』
『き、京佑…?駆、どしたの……?』
俺は今、目の前で起こっている状況に理解出来なかった。
目の前にはグッタリした駆。その駆をお姫様抱っこする京佑。2人とも半裸。
…ドユコト………………
『あー、のぼせたんや。なんや、疲れてたみたいで浴槽内で爆睡しよって。それでのぼせたんや、このアホ。先に部屋行っとるで。このアホ、ベッドに寝かせてくる』
『…い、行ってらっしゃいませ……』
((濡れた髪+メガネってあんなにエロいものなのか…))
『じゃあ次は俺達入ってくるわー、おっ先ー♪』
リビングから出ていく柚樹と陸人。リビングには残った影宮くんと俺しかいない状況になった。静かな部屋の中。
正直、何も話す話題が無いし気まづい。
思っている事は同じなのか違うのかお互いに、それぞれ雑誌を読んだり携帯を弄ったりして時間が過ぎるのを待った。
しばらくその時間が過ぎた時の事だった。
『なぁ。』『ヒィィッ!?!?』
あまりに突然の影宮くんの呼びかけに油断していた俺は変な声が出てしまった。恥ずかしい……。
『寝ぃから寝る2人が出たら起こせ』
そう言ってソファーの上でバスタオルにくるまりながらスヤスヤと寝てしまった影宮くん。
((…………………いやいやいや…、無防備!!!))
無意識にソファーの上の影宮くんへと目線がいってしまう。
濡れたシャツ、襟元から覗き込んでいる形のいい鎖骨、薄っすらと透けている乳首、胸元や耳に着けられたネックレスとピアス。
影宮くんの全てがエロく見える。全てからエロい雰囲気を感じる。
((………2日前、影宮くんに襲われそうになった事思い出すな…人がどんな気か知りもしないで……))
あの日から俺は影宮くんと目が合うと逸らす様な仕草をしてしまったり以前の様に影宮くんに話かける事が出来なくなってしまったりと、なにかと2人で居づらい現状にある。
((……もしかして今なら仕返し出来るんじゃないか…?))
俺はソファーへと近づいた。影宮くんはスースーと寝息を立てている。
完全に寝ている事を確認すると、ソッと影宮くんのシャツのボタンへと手を伸ばした。
するとその時
『あーーー、気持ちよかったぁぁ……』
『そうだな。一気に身体、暖まったよ』
柚樹と陸人の声。
どうやら風呂から上がった様だ。流石にこれから影宮くんの身体を弄る訳にいかなかったので、俺は渋々諦めた。
『影宮くん、影宮くん。次俺らが風呂の番だよ』
『んん………………ん、あぁ』
あくびをしながら起き上がる影宮くんの手を引っ張り、風呂へ。
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