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5日目 6
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愁は決心した顔で、天に言った。
「咲にもう一度、告白しようと思う」
「はぁ」
返事に困ってしまう。
(どうぞ、お好きにとでも言うべきか?)
再度、告白する事は自分に断りを入れる事なのか。
(咲とは、相思相愛だぞ?)
「その…咲に、返事をもらいたいから」
「あ…、いいんじゃないですか」
そういえば、そうだ。
(咲は、返事を返してない)
自分が良いとか悪いとか、言ったところで好き合っているのだ。
(俺は咲に、意地悪な事をしたな)
申し訳ないなと思っていたら、愁が口を開いた。
「それで高城君、生徒会書記にならないかい?」
あまりの突然な事だった。
「はい??」
「告白もそうだけど、咲には姫として一緒にいて欲しい」
(まぁ…そうだろう)
もし自分に好きな人がいて、この学校で生徒会長だったら、姫にして側に置いておく。
だが、愁は更に言った。
「それでもし、咲が姫になる事を承諾してくれたら、『咲の為に生徒会に入って書記になって、咲の近くでこれからも守ってあげて欲しい』」
天は目を見開いた。
「玉砕覚悟だから再度、告白して咲が承諾しなかったら、この話は無かった事にしてくれて構わない」
「…」
「書記って言っても難しい事は無いから。むしろ、書記になって護衛という形で、咲を見守って欲しい」
天は笑ってしまった。
「はははっ」
愁の頭には"?マーク"が浮いている。
「周りを見てなかったのは、俺だったんだ」
天は呟いた。
(生徒会長は咲をこんなにも大切に考えている。そして、咲に似ている)
お人好しで、他人には優しく、自分の事は後回しにしても苦じゃないと言える性格。
(仕方ない…1人も2人も同じだ)
「わかりました、貴方も一緒に見てあげます」
誰よりも、幸せになって欲しい。
だから、応援しようと思えた。
「咲に会うのは、とにかく明日に病院に行ってからにして下さい」
これで、身体に何かあっても困る。
一生、咲に恨まれるのは御免だ。
「…?医者にも言われたけど、確かに血は足りないけど大丈夫。傷はたいしたことないよ」
「はあ?医者には明日来いと言われたんでしょ?!」
あまりの内容に、天はまた愁にため口をたたいた。
愁は気にすることもなく、話を続けた。
「医者には言われたけど、生徒会の仕事も溜まっているし、病院に行かなくても…」
(どこまで自分を後回しにするんだ、この人は!)
「医者の言うことを聞けよ!!」
天は愁に、罵声を浴びせたのだった。
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