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今の俺の気持ちはどうであれ、あの時の俺の判断は間違っていなかったと思う。
本部長の娘さんがどんな人なのかは全く知らないが、この上ない良縁だろう。
将来有望な彼の未来が確実なモノとなる訳だ。
木下さんは、きっと幸せになる。
俺なんかと居るより、はるかに幸せに。
そう思えば、少しは胸の痛みが和らぐ気がした。
◇◇◇
寒さの本格的になってきた十二月上旬、部署主催の忘年会が開かれた。
うちの部署はパートさんを合わせても二十人ほどの小規模な部署だから、チェーン展開されている居酒屋の大部屋で事足りる。
幼いお子さんのいるパートさんは欠席しているようだが、それでも十人は余裕でいるだろう事は、ギリギリに入室した時に確認出来た。
俺は今回幹事の後輩に会費を手渡すと、早々に真ん中より下手側の席に腰を落ち着けて、隣に座る同期と雑談し始めた。
しばらくして、入口付近で女性社員達の何かに興奮したような甲高い騒ぎ声が聞こえてくる。
「はは、まだ酒も入っていないのにテンション高いなぁ」
同期に苦笑いしながら話しかけると、同期の奴が入口付近を見ながら顔を弛ませた。
「おい、見てみろよ」
嬉しそうに笑む同期に肩を小突かれたので、振り返って入口の方へ目を向ければ
視線の先には木下さんがいた。
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