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〃 ⑤side雷蔵
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真田に背を向けて、グラウンドに目を戻す。
珍しく ぐずぐず している真田に、オレは苛ついてくる。
「監督」
真田が急に真面目な声で呼び掛けてくる。
「言うつもり 無かったんスけど。
限界っぽいんで、聞いて下さい。
オレ、監督が好きです」
胸をガッと掴まれたように、オレの体が揺れる。
好き、だと?
……いや、それは、きっと、監督として、って事で
オレが期待してる“ 好き ” じゃなくて……
「…へえ。オレも お前が大好きだぜ。うちの大事なエース様!」
上手く誤魔化せただろうか。
声は震えてなかったか?
ちくしょう。こんな子どもの言う事に、何でオレは
揺れている?!
「監督。信じてもらえないかも知んないスけど。
オレ、恋愛対象として、監督が好きなんです。
男なのに、って思うでしょうけど……」
真田の声が真剣過ぎて怖い。
語尾が小さく掠れるのが不憫だ。
「マジか……」
オレは驚きを隠せずに、真田の方へ向き直る。
真田の真っ直ぐな眼がオレを捕らえる。
ああ、この顔は……
覚悟を決めて告白してくれた顔だ。
オレの事を求めてくれている顔だ。
……オレは嬉しくなる。
こんなに熱く胸が高鳴るなんて、いつ以来だろう
…………?
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