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〃 ②side真田
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そうだよ。
距離と言えば、今のこの状況……
お互い、好きだ、って伝えあって、付き合う、って
ほどじゃナイけど、それなりにドキドキしてる2人が。
2人で、温泉に浸かっている。裸で(当たり前か)。
2人で。並んで。
なのに、この距離感……ひと1人、入るほど、は
空いてない。けど。いくら何でも。
離れ過ぎじゃね?
オレ、警戒されてんのかな。
ちょっと、寄ってみよ……
ちゃぷ。
よし。
ひとまず半分くらい距離を詰めた。
と、オレの左にいる監督を横目で見る。
「ふぁ~~」
相変わらず、気持ち良さそうに声を上げている。
うん。警戒は、されて、ナイ、よな?
じゃあ、もう少し……
ちゃぷん。
こぶし1つくらい空けた距離まで詰める。
だいぶ近い。
オレが動いたはずみで起きた波が、監督の首筋に届き、お湯の粒が首筋から鎖骨へと下りていく。
やばい。
急にドキドキしてきた。
触れそうで、触れない距離が。
かえって存在を強く意識させる。
「監督っ」
沈黙を嫌って、オレが声を掛ける。
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