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俺の言葉に被せ気味に言ってきたヨウは、ジっと俺の目を見つめている。
「……なに…言って………。」
「俺は、荒太のこと好きだよ?」
再度、問いかけるように優しく告げられて、混乱する。
何言ってんの?ふざけてんの?
もしかして、俺の気持ち分かったからって、からかってるの……?
「……ふざけるのも大概にしろ。」
「ふざけてない。お前のこと好きだ、って言ってんのに、その返事の方がふざけてんだろ。」
ああ、もう、そんなに何回も好き、好きって言わないで欲しい。たとえ冗談や嘘だとしても、一々心臓は飛び跳ねるから。
「……流石に、本気で怒るぞ。そんな嘘ついてんじゃねぇよ。俺のことからかってんの?」
「俺が本気で怒るっての。……もう知らないから、嫌なら本気で抵抗しろ。」
「…え?ちょ、ちょっと、まっ」
掴まれていた手首はそのまま、座っていた俺を倒すようにして組み敷かれた。
何、この状況。まさか今から、始めるつもり……?
「ヨウ、ちょっと落ち着」
俺の言葉は、いつかのようにまたキスで遮られる。
「っん、ふ……ぅ…っ」
相変わらずヨウは上手くて、俺を夢中にさせる。もっとして欲しくて、もっと激しくして欲しくて、たまらなくなる。
そんな俺の願いが叶って、どんどんキスは深くなっていく。
いつの間にか、手首を握っていたヨウの手は、俺の手と繋がれていて、指を絡められていた。所謂恋人繋ぎというヤツだ。
こんなの、抵抗出来ない。好きな奴からキスされて、嫌なわけないだろ。嬉しいに、決まってるじゃん。
どうしていいか分からず、俺はただヨウのキスを受け止めた。
「っはァ……は……」
「っ……。ほら。嫌がらないじゃん。なんで?」
「…………。」
「言えよ。」
…あ。ヨウの目が、熱を持っている。驚いた。普段は、無機質で何も写していないように感じるのに。
あの冷たい瞳でも、吸い込まれてどろどろに溶かされそう、なんて思っていたのに。
今の激った瞳は、溶かされるなんてものじゃない。目を合わせているだけで、心臓が止まってしまいそう。
そんな目で見ないで。言いたくなるから。ヨウのこと好きって、言ってしまいそうになるから。お願い。
瞳だけじゃない。繋いでいる手も熱い。ヨウの熱が俺に伝わって、俺は燃えてしまいそう。
「……あ、の…………」
「ん。」
「ヨウは…俺のこと、好きなの?……好きだから、キスとかああいうこと…したの?」
「……ああ。荒太のことが好きで好きで堪らなくなって、触りたいって思ったから。」
好きで好きで堪らない……触りたい……。
ヨウが言った言葉が、頭の中で何度もリピートされる。
「……本当に?」
「ん。ほんと。」
「…………。」
言いながら頭を撫でられて、不覚にも胸が鳴る。俺を見る熱の篭った瞳からも、俺が好きだって言われているように感じて、その瞳に釘付けになった。
「ヨウ……俺…俺………。」
言っていいの?俺。後悔する結果になるかも。例えヨウの気持ちが本当だとしても、人の心なんて簡単に変わるのに。辛い思いは、したくないのに。
「俺…も……好き…………。」
言ってしまった。とうとう口に出してしまった。後戻りは出来ない。泣きそうになりながら、縋るように、必死にヨウの顔を見上げる。
「……好きだよ、荒太。」
俺の悩みなんて吹き飛ばすように、嬉しそうに笑ったヨウは、もう一度口付けてくれた。
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