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朝菊 お兄さん視点
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いつも仲がいい枢軸はとても微笑ましい。
だが、それを恨む奴もいる。
「くそう…!菊は俺の嫁だ!」
物陰からぶつぶつと文句を言うアーサー。
「そんなに好きなら菊ちゃんに言えばいいじゃない」
「……言えねぇんだよ」
当たって見ればいいのにそんな勇気がないヘタレか。
そう思いながら枢軸を観察していた。
アーサーのことを一番理解できるのはフランシスだから分かる。
アーサーの様子がおかしいことと菊がピンチなこと。
「まずい…あいつが菊ちゃんに会う前になんとかしないと」
朝、携帯に「日本へ行く」と電話を残していた。
まだ着いてないはずなので急いで「kiku」に電話をかける。
繋がったことに安心していた。
「もしもし菊ちゃん!?アーサーがそっち行ったんだけど気をつけて!」
『………なんだ髭かよ』
この一言でフランシスの表情が変わる。
「……は……?なんでアーサーお前が…」
おかしい。
今日の飛行機をのってもこの時間に着かないはず。
それに今電話をかけているのは菊の携帯。
「なんでお前が菊ちゃんの携帯に…」
『そんなの菊のところにいるからに決まってるだろ』
「やめろアーサー!!菊ちゃんに酷いことするなよ!?」
『うっせぇなクソ髭。優しくするっつーの』
「違う…そうじゃなくて……!」
プツッと電話が切れる。
せめて菊ちゃんの声が聞きたい、そう思いもう一度電話をかけた。
「アーサー!菊ちゃんは…!」
『フ…フランシスさん…』
間違いなく菊の声、なにやら怯えている。
「菊ちゃん!大丈夫!?今助けに行くから逃げて!」
『それが…出来ないんです…拘束されて…ひっ!』
菊の悲鳴が聞こえたと同時にアーサーの声も聞こえる。
『なんでそんな声出すんだ?大丈夫だって』
「待っててね菊ちゃん。今助けに行くからね」
電話を切るとすぐに家を出た。
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