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真島に休日遊びに行こう、なんて話を持ち出したらそれはもう一つ返事だった。
まあハナから断られるとは一ミリも思ってない。
「どうしよう。すごい嬉しい。高瀬くんとお休みの日も会えるなんて…っ」
一応他の女の子もいると伝えたはずだが、コイツちゃんと話聞いてるんだろうか。
というかこの間勉強会でも会っただろうが。
とはいえこんな状態の真島を連れていって、果たして亜美ちゃんの恋愛が成就するかと言われたら全くそんな気はしない。
だが俺の新たな出会いという恋愛は成就するかもしれないから、細かいことは気にしないでおこう。
亜美ちゃんと考えたのは、やっぱり定番、遊園地だった。
アトラクションだのキャラクターだのいれば話題には困らないし、手っ取り早く仲良くなれる。
「あー…そういやお前亜美ちゃんとメッセしてんじゃん。これをきっかけにもっと仲良くなってみれば」
「え?うん。高瀬くんがそうしろって言うなら」
こいつダメだ。
お前は俺の言うことしか聞かないのか。
真島の亜美ちゃんに対する気持ちを少し見てみようかと振った話題だったが、正直聞くだけ無駄だった。
「楽しみだなあ。俺遊園地行くのって小学生の時の遠足以来なんだよね」
「え、どんだけ遊んでねーんだよ」
「あ…少し忙しくて。なかなか時間がなくてね」
どこか困ったように真島が笑う。
あまりつっこんでほしくない話題なんだろうか。
そういやこいつカラオケだって俺と行ったのが初めてだって言ってたし、休日もスカウトに引っかかりまくって上手くかわせないし、思ったより世間知らずかもしれない。
ひょっとして良いトコのお坊ちゃんとか?
亜美ちゃんに聞かれて初めて思ったが、俺は真島の事をほとんど何も知らない。
今までコイツのことを知ろうという気が全くなかっただけだが、それでもここ最近昼休みはずっと真島と一緒だし、なんだかんだ仲は良いと思う。
もしかしたらコイツのことを、もう少し知ろうとしてもいいのかもしれない。
「お前っていつも何してんの」
「えっ…えっ!?」
俺の唐突な質問に、真島がテンパる。
何を答えれば正解なんだろうという表情で考え込まれた。
別にクイズじゃねーよ。
「…あー。じゃあそうだな。好きな食べ物は?」
「えっ…えーと…」
仕方なく少しハードルを下げてやったわけだが、それすらも真島は戸惑いながら答えを探す。
なんだろう。物凄くアホらしくなってきた。
というか俺はそれを聞いてどうする。
真島は真剣に悩んだまま答えないし、マジで無駄な時間に思えてきた。
「もういいや。寝る」
面倒くさくなったので、寝ることにした。
さっさと横になって背を向けた俺に、真島はあわあわと挙動不審に動いた後、慌てたように口を開いた。
「…あ、アップルパイ!」
スイーツ男子かよ。
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