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74.花火1
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どこに行ったのだろう?
おろおろ、おろおろと人ごみを掻き分けて歩く。
頭上では大きな花火が爆音をとどろかせていた。
どうしたらいいだろうか?
浴衣が合わさっている胸元からストラップでぶら下がっている携帯を取り上げる。
しかし、電池が少ない。
「もう!役に立たないんだからっ」
蒼は大きくため息を吐いて、足を止める。
しかし、人の流れは激しい。
立ち止まっていても、押し出されるように運ばれていく。
「ちょっと、こっちに行きたいんじゃないんだってば」
文句を言っても、誰にも聞こえない。
ざわざわした騒音にかき消されてしまうばっかりだった。
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