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試してみれば分かること
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会長に言われた一言が
鉛みたいに俺の全身にのしかかる
喉に何かが詰まるみたいで
息が止まりそうになる
「それは恋愛感情じゃないよ」
恋愛感情じゃない?
なんだよそれ・・・・
「違う・・・本気で好きなんです・・」
でも、もう俺の口からは
それしか出てこない
「・・・・」
「本気で好きだから・・・
仮なんてもう嫌なんです」
お願いだ・・・
否定しないでくれ
ちゃんと聞いてくれ
「仮?僕と付き合ってる事?」
それ以外何があんだよ・・・
「会長は・・・俺の事どう思って」
散々俺に優しくして
あんな事までして
それでもただの後輩としか見てねえのか?
「新、よく聞いて」
会長の声が少し低くなる
どこか冷静に話すその口調が
怖いと思ってしまった。
「僕は君が成海と関わる事で
成海が生徒会としての
役目を疎かにしていると思ったんだ。
君にとっても成海と一緒に居るのは
あまり良さそうではなかったし」
なんで今あいつが出てくんだよ
俺はあんたの気持ちが知りたいんだよ
「だから、君と成海を離す為に
仮として付き合う事にしたんだ」
分かってるよそれくらい
最初から分かってたよ
でも、それから俺と一緒に居て
俺に触れて、優しい言葉を掛けて
それでもあんたは俺に対して
何も思わなかったのか?
「・・・なんで・・・」
「なんで?最初に言ったよね。
会長としての役目だって。」
役目・・・
たったそれだけの理由で
あんな事まで出来てしまうのか
「僕と一緒に居た時間を新は恋愛として
見てしまったかもしれないけど、
それは先輩と後輩の良い関係の
延長線で、それ以上じゃない。
それは勘違いだよ。」
勘違い?延長線?
なんだよそれ・・・
そんなのでまとめるなよ
そんなんで勝手に解決すんなよ
「好きなんです・・・
先輩としてじゃなくて
俺は会長の事が本気で好きなんです!」
今更、勘違いで終わる訳ねえだろ
いい先輩としてなんて
それだけで見れるワケないだろ!
「なら、試してみる?」
「え・・・」
気が付くと、俺は会長に
押し倒されていた
「僕の事本気で好きなら
僕に何をされても嫌じゃないよね?」
俺を見下ろす会長の表情は
凄く冷たくて
「新」
あんなに心地よく感じた
俺を呼ぶその声はもう
優しい会長の声では無かった
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