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バスの中 1
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バスの中で、僕らは、一番後ろの席に座った。
僕は窓際の席で、対向車線の方を見ていた。
街中をすぎ、車内がすいてきたころ、潤は、僕の左手を握ってきた。
「潤?」
「瑤、手が冷たいな」
潤が小声で言った。
「うん、そうなんだ。僕、手が冷たい」
僕は、少しドキドキしながら答えた。
潤は、二人の間のシートに置いた僕の指を一本一本いじって、もてあそんでいた。
少しして、潤の手が静かになったと思ったら、潤は、目を閉じて、うとうとしているようだった。
潤の寝顔を初めて見た。
今日、そういえば、潤の家に泊まるんだよな? 泊まるってことは、潤と同じ部屋で寝るんだよな?
胸がときめいてきた。
それだけじゃない。お風呂だって。いや、さすがに、いっしょには入らないか、子どもじゃないもんな。
想像がいろいろ湧いてきた。
バスが停車した時、潤が目を開けて、立ち上がった。
「降りるの?」
「いや、終点まで」
と言いながら、潤は左端に移動して、本格的に窓枠に寄りかかって、眠る体勢に入った。
僕もついて行って、潤の隣に座った。
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